2019年4月2日火曜日

ゴルカの人々 ~笑顔と儀式~



最初の親父さんは、ロキシー友達のビビの奥さんのお父さん。ビビの通訳がないと話は通じないけど、酒好きは伝わって2人とも気分は絶好調!

そうそう、ビビが私のロキシー好きを話すので、行く先行く先で晩飯だろうが昼飯だろうがオヤツだろうが朝飯だろうが、ヒエの酒ロキシーが出てくるようになってしまいました。まあ、それで男達が一気に和んで笑顔で迎えてもらえるから良いんだけどね。


右のおばあちゃまは、街の結婚式に出かけるとき、一人で道を歩いていたのでBBが乗せてあげたおばあちゃまです。
好奇心旺盛で、私のことを聞いたのでビビがお産施設の再建費用を出してくれた人だと話したようです。

車を降りるとき、私に万歳してくれました。




ホテル・シッダールタ

最初のイケメンは、水のようなゲ○で何も食べれず、意識が朦朧としてしまった時に、ドアの開け方を何度も嫌な顔1つせずに教えてくれたホテル従業員さん。

最後には身体を気遣ってお湯まで持ってきてくれたんですよね。おかげでプロテインも永谷園の松茸のお吸い物も頂けました。
親切、身に沁みました。

でも、鍵を開けるのに右に回す国ってあるの?奥に開くドアを引っ張りながら鍵を回して開けるってのは分かったんだけど、一生懸命左に回しても開かないんだもの。

次は山の上の女神様に会うためにバスに乗ろうとして待っていたら、一緒に立ってくれてバスを止めてくれたホテル・セキュリティーの親父さん。

帰りにどこまで行きたいと運転手に言えば良いかとか、運賃とか、みんな教えてくれたんです。30分近く付き合ってくれたんですよ。
考えてみたら、バスで行けると聞いたらバス停すら分からないのに出かける方も出かける方なんだけど....

英語は得意じゃなかったけど、一生懸命教えてくれました。




神に生け贄を捧げる儀式にて

BBの村の飲み屋で一緒に飲み、神様の山へ供え物をする儀式でも一緒になった、もとネパール兵の飲み友達。

兵隊の中でもっともお金を稼げるのは、イギリス軍の傭兵、グルカという名のネパール人部隊です。フォークランド紛争の時にイギリス軍が真っ先にグルカ兵を送ったのでアルゼンチン軍の兵隊が前線から逃げたという逸話を持つグルカ兵はネパール男性の知力体力のトップです。簡単になれるものではありませんが、湾岸戦争以来、給料はイギリス人の兵士と同じになりました。

次に大変なのがインド軍の傭兵、そしてその次がネパール軍の兵隊です。つまり、ネパールの知力体力の上澄みみたいな人達の一人なんですね。
でも、知力体力のトップが兵士なのはちょっと悲しいですね。


神様の山にお供え物として捧げるのは山羊です。

二週間に1回お供え物をするというこの神様は、随分地域の信仰を集めていらっしゃる方のようでした。

お供えの後は、肉をカレーにして食べます。

この儀式の世話役は、BBの村の飲み屋で一緒に飲んだBBの恩師の先生でした。合掌をしている方です。とても腰の低い穏やかなお人柄の方でした。

村の事を熱く語るBBやドクター・シュザムを教え子として誇りに思っていらっしゃるようで、飲み会の時に、この日には必ず来るようにと二人に言っていました。

村の発展に尽くす教え子を育てられた方です。






先祖供養



左からBBのお父さん、お母さん、BB、BBの奥さんです。一番前は親せきの子。

この日は、BBの家の先祖供養の日でした。

ネパール兵として働いているBBの弟さんの奥さんが法事の準備をしています。

法事の日は、法事が終わるまで何を食べても飲んでもいけないそうです。

お父様は髪を剃っていました。

BBは水場へ行って身体を清めていました。

ちなみに左の写真の左上が私が寝かせて貰う部屋です。

右がその部屋の様子。

いつも寝袋を使っていますが、暖かな真新しい毛布を貸して貰っていました。























2つの結婚式 村と街

山の村の結婚式
BBの家の上のお宅で結婚式がありました。

近所の人や親戚の人が総出で結婚式の支度です。

お姉さん達も着飾って自分の子ども達と一緒に式に参列です。

が、この花婿、自分も働いちゃってました。
きっと真面目でよく気がつく働き者なんだろうな。
幸せな結婚生活が送れると良いな。


右のドーナツは参列者用に用意されたものです。500人分あるということで、式の規模にビックリしたのですが、500人は普通だと言うことでした。
ネパールでは祝儀を持って参列する習慣がないので、全ての費用は新郎新婦の親が負担するのだそうです。
ネパールでは、まだ、親が結婚を決めるのです。


通された部屋には炊飯器がありました。

お米が主食ですから、電気が通っていて電気料金が支払えればとても便利な物ですが、パルパでは滅多に見ない物です。やはり高級品になるのだと思います。BBの家でも使っていませんでしたから、お嫁さんの嫁入り道具なのかな?

「大阪」と何食わぬ顔で日本製のふりをしてる中国製の炊飯器でした。
(笑)




セレモニーの会場では儀式の支度が進んでいました。

私達が入ってはいけない場所には縄が張られていました。

やはり神々を召喚するのでしょう。身を清める手順を踏んだ人だけが入れる場所には、山羊の血が入れられた容器が見られました。神々への捧げ物だと思われました。


違う場所では、屈強な男達がククリ・ナイフ一丁で山羊の解体をしていました。
血抜きされて首がなくなった山羊が運び込まれ、役割分担をした男達の作業で瞬く間に肉片に変わっていきます。

普段生き物を殺して肉にする場面を見ない私達は、命を頂いているということになかなか気づきません。しかし、こうやってその場面を目の当たりにすると、感謝して頂かなければという思いが自然と湧いてきます。


























BBと一緒に見ていたら「Japan! Rakshi, Rakshi!」と声がかかって、さっそくロキシーが。男達の笑顔が広がります。ご希望に応えて朝ロキシーさせてもらうことに。

 チビチビやっていると美味いかと聞きます。「デリ ミートチャ(すっげえ美味いなあ)」って言うと、また爆笑。

みんなはまだ食べてないのに、私とビビだけ皿をもらって、どこの部位かは分からないけど柔らかくて口の中で溶けてしまうサッパリした脂肪肉を食べさせてもらいました。みんな私の反応が見たいんだな。

「デリ デリ デリ ミートチャ!」で、また爆笑。

左の葉っぱは肉を入れてもらったお皿です。葉っぱと草の茎で作ってあるから、畑に放っておけば土に戻ります。究極の使い捨てエコ皿ですね。

そうそう。胃や腸なんかは水で綺麗に洗ってゆでていました。肉は脂で炒めた物を食べさせて貰うことが多かったのですが、山羊何頭分となると、焼いたりゆでてカレー味で食べたりするようです。





男達の楽しげな笑い声が山に響きます。
でも、実際にはかなりの力仕事です。何ごともないかのようにやっていますが、私にはとてもあの時間続けてグルカ・ナイフを降り続けることはできないと思います。

BBの家に帰ってからBBの家の子ヤギに出会ったら、目をそらせてしまう自分がいました。なんとなく後ろめたいですね。






街の結婚式



街での結婚式にも招待されて出かけました。
お金持ちの結婚式らしく、見事に着飾った新郎新婦と女性達です。テーブルの上にはプレゼントなのでしょうか、色々な物が乗っていました。
街のパーティー専門の会場を借り切って、招待客1000人の結婚披露宴です。










パーティー会場の中も外も大賑わいです。背広を着るのが慣れている人達が多く見受けられました。
ネパール帽の質も随分違う感じでした。
招待された人達もそれなりの地位や財産を持っている方達なのでしょう。











パーティー会場の中は飲み放題食べ放題です。

ネパールではビールは日本より高いくらいですから、かなり高級な飲み物なのですが、いくらでも出て来ます。
ウィスキーは国産物もありますのでビールよりは割安感がありますが、本当は一番美味しいのは、地元の人が作るヒエの酒、ロキシーです。

一㍑130円くらいで買えますが醸造用アルコールなんか全く入らない上等な蒸留酒です。各家庭で作りますから味はその家によって違います。ヒエにトウモロコシが若干混ざったり米が混ざったりする場合もあって、それはそれでなかなか美味しいんです。

だから私はロキシー専門なのですが、地元の男達は笑うんですよね。
「やっすい奴だなあ。」って意味もあるんだろうけど、親近感も持ってくれるみたい。ロキシーが好きだって言うと、みんなニコニコして話しかけてくれて、仲良しになれるしね。「ロキシー、ロキシー、デリ・ミートチャ(めっちゃうまい)!!」で必ず爆笑取れます。(笑)


最後はパーティー会場でのディスコタイムです。街ですねえ。





























2019年4月1日月曜日

ゴルカの風景







ゴルカの山々です。 段々畑が延々と続きますが、パルパと違うところは木がある所です。
右の写真のように日陰になるような斜面でも畑になっているところもあります。どれだけの労力を費やして畑にしたのでしょうね。

麦畑です。
日本で言えばちょうど春です。



右の写真も麦かな?
段々畑に沿って川のように麦の畑が続きます。

















右上の写真では菜の花畑に突然一本のトウモロコシが育っています。
右下の写真でも、菜の花畑にエンドウ豆の花が咲いているみたいです。

こんな風に混在する畑って、日本では絶対ないですよね。でもネパールではあるあるです。まあ細かいことは良いじゃないかってことですね。




左の写真の木は、枝と葉を切られて丸裸。
山羊の餌として枝も葉っぱもとられちゃったんですね。
でもよくがんばって生きてる。



ゴルカの山々に穏やかな春の景色が広がります。