2018年6月19日火曜日

小さな村の小さな水場 2018

山の上に寄り添うように集まっている民家十数件がありました。他の村とは隔絶されたような感覚を持つ村でした。

そこに水場ができました。

村の人達がバジさんに水場を作ってくれと言い出せなくて、取り残されたようになっていたようです。

郡長さんが、あまりにかわいそうだからと、バジさんに頼んでくれたのだそうです。

困っていても言い出せない人達。
地位もお金もなく、教育を受けられなかった人達が黙って耐えていることがこの国ではよくあるのです。


遠い水場に毎日水汲みに行っていたようです。

右上の写真の細い黒い塩ビ管でその遠くの水場から村の中へ水を引っ張ってきました。

この塩ビ管で引っ張ってこれるほど、少量の水なのです。でも、少量の水を汲みに行くのと、ここに溜めた水を汲むのでは、全く違います。現地まで汲みに行っても細々と流れる水を20㍑の水瓶に入れるには、随分の時間が掛かります。それを、この村の人達は我慢して順番に並んで水を汲んでいたのです。

でも、もうそんなに長い時間待たなくてもよくなりました。ちょろちょろとした水でも昼夜を問わずこのタンクに貯めることで、水は蛇口をひねればジャーっと出るようになりました。

村人達が使う蛇口は村の中に作られており、高い位置に貯めた水は落差の力で勢いよく蛇口から流れ出るのです。


Aさん、ありがとうございました。喉から手が出るほど欲しかったのに欲しいと言えなかった人達の所へ届きました。


テープカットをして、タンクの鍵をバジさんに開けてもらって村人達は村の広場に戻りました。
蛇口から水が出るのを見てくれと言われて蛇口をひねってみました。
日本の水道のように勢いよくは出ないのですが、村人達にとってはこの水の流れる光景がこの上ない喜びとして目に映るようです。


この写真の彼が、この村で一番教育を受けている人らしく、セレモニーの進行役を務めます。とても若いのですが村の人々にとっては彼が頼りなのです。

会計報告がなされ、村人にもバジさんにもお金の流れがここで報告されました。

そして、そのあと彼は申し訳なさそうにバジさんと私に話してくれと言いました。村には、お礼のスピーチができるような人がいないというのです。




バジさんのトークが弾けます。村人大喜び。
この村の人達は私達にTシャツを作ってくれました。背中に書いてあるのは「愛の証」という意味のネパール語だそうです。

最後は頂いたネパール帽(パルパの名産品の織物で作った帽子)、カタ(感謝や尊敬を表現するための布)、Tシャツ、感謝状を持って記念撮影です。

バジさんが緊張していた村人達の気持ちをほぐしてくれたので途中からリラックスした良いセレモニーになりました。


次への移動の途中でバレーボールの試合をやっているところがありました。

きちんとしたバレーボールコートをつくり、ユニフォームも靴もきちんと履いた選手達が試合をしています。

ネパールの山の中にもスポーツというものが根ざし始めているようでした。






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