2019年3月27日水曜日

4つの水場 ~幸せの音~



山奥に散在する十数件の家で成り立つ村から水場の支援要請がありました。村人達の便宜を考えると、写真にある7軒で使う最も大きな水場の他にもう3カ所で水場が必要でした。最も小さな水場はたった1軒でしか使わない水場です。

しかし、彼らも自分たちの農地を離れては生活のしようもなく、水汲みの仕事から解放される日を夢見てきました。水汲みは、毎日の仕事ですし、毎日1時間以上かけて水を汲み30Kg以上の水を背負って山を登るのは決して楽なことではありません。
タンセンに修理増設をして2800人分の水を供給する水場を作るために支援したことがありましたが、それとは真逆のような状況の水場でした。


この水の音は彼らにとっては忘れ得ぬ幸せの音になったかもしれません。











こんな山奥のどん詰まりの尾根に張り付いたような村でした。

鳥の声しか聞こえないような穏やかで静かな日でした。













村長さんの家で食事をごちそうになりました。

左の写真はトウモロコシの保管場所です。
藁で雨から守り、高いところに置いて動物から守るようです。トウモロコシは人にも家畜にも大事な食料になるようでどの村に行ってもトウモロコシの保管場所はあります。

下の写真はミツバチの巣箱です。真ん中の穴から蜂が出入りします。密を取るときには右側の泥の壁を壊すのです。


右は蜂蜜です。巣ごと食べるのですが、これがなかなか美味しいのです。日本ではこういう形で食べることはないので貴重な経験でした。




左は子豚のレバー肉です。子豚を料理してしまうのはもったいないことなのですが、私達のために料理してくれたようです。
普段は肉はあまり食べないのですが、皆さんのお気持ちを考えて、少し頂きました。柔らかい肉でした。


上の写真の尾根の真ん中辺りに白く見えるのがもう一つの水場だそうです。別の尾根にありました。これでは、別に作らなくては使えそうもありません。



そして、左の写真の中央付近に見えるのが3つめの水場だそうです。これも随分下の場所ですから、別に作らなくてはならないでしょう。


一軒だけのための水場がこれです。水を溜めておくための水槽を作るだけのお金はなかったので、流れっぱなしの水をいろんな容器に溜めて使うようでした。

でも、水が貴重なパルパでの生活に慣れたバジさんにとっては、水の流れっぱなしは許せないようで、蛇口を止めていらっしゃいました。

彼らにとっては、タライに水の溜まる音は幸せの音として聞こえていたのかもしれませんね。

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